新月の夜

生まれた子供。二人の子供なら隠す必要もない。本多さんの本当の旦那さんが専務だったらあの子のつじつまが合う。この前見た人は影武者…頼んだらいくらでもできる。）


あさみは悠太のオムツを替える。

「あらあら、たくさんしてるわね。ごめんね。」

悠太はあさみに甘える。あさみは優しく悠太を抱く。

「和也は大丈夫？」「う〜ん。」
「トイレに行こうか？そこにあるからね。」
「うん。」


「お昼には戻るからね。」

と子供達に言い残し、戻り、普通に仕事を始める。
あさみは同僚に呼ばれる。

「あ…。」

あさみはその同僚が和也に声を掛けていた事を思い出す。

「ねぇ、息子さんを見たわ。かわいい子供さんね。」
「……。」
「誰との子供？」
「それはもちろん主人との間に生まれた宝物です。」
「主人って専務？」
「…違います。主人は前に迎えに…。」
「影武者？」
「そんな…。」
「専務とは？」
「主人と専務は幼なじみです。」
「なら尚更口裏合わせができるわ。」
「……。」
「子供のカオは見たわ。４才よね。喋れる。見つけて、名前を聞いたらどう答えるでしょうね？子供は正直よ。苗字まではっきり言うだろうし、父親の名前もわかる。そこまで上手く育ててる？」

あさみはうなだれて、指輪に何度もキスをする。

「その指輪も、ネックレスももらったのでしょ？」
「…聞いて下さい。…私が話せる立場じゃありません…話したら…大事な……失う。」

涙。

「…何で？」


昼休み。あさみは子供達が待つ部屋へ。

「ママ♪」

悠太と和也は甘える。あさみは、

「待ってて、ごはん作るね。」

ナオキも来る。

「パパ♪パパ♪」
「おとなしくしてたか？」

ナオキは悠太を抱く。ナオキは、

「あさみ、どうした？顔色悪いぞ。」
「う…ん。」
「悠太がちょんちょんあさみに触れる。悠太がママってさ。」
「少し待っててね。もうすぐできるから。」


子供達は満腹。遊んでいる。

「あさみ、何かあったのか？」
「……。」
「愛してる。」

ほっぺにキス。

「ナオキさん…。」

あさみはナオキに身を任せる。ナオキはあさみを抱き寄せる。

「愛してるよ。世界で