新月の夜
から貰ったの?」

ナオキは見て、

「あ…それは昨日あさみが…。」
「そうよ、昨日買って、私があげたの。プレゼントをかわいいお嫁さんに。迎え入れるわ。拒まれるのは辛いわ。私だけで充分。…あんな思いするの嫌よ。引き裂かれるような…思い。そりゃ息子を苦しめるようなコは拒むわ。悠はそんなコ選ばないし彼女はそんなコじゃない。お兄さんを見ててわかる。お兄さんが笑っていられるのは彼女がいるから。兄弟よく似ているわ。兄弟で買い物してたの見た時、微笑ましかった。その時、私が悠の母親だとばれたわね。この家との因縁。彼女は私を知ってるし、彼は私が働いてるの知ってるし。…あの時期くらいからだね、生活が変わったの。本当に夫婦として歩けるようになって、嬉しいもん、気にせずに手を繋いで歩ける。新婚生活できなかったことができて、今が新婚さんみたい。」

義人は、

「手を繋いでるんだ。」

ナオキは、

「あさみ…。」
「夫婦したいじゃない。お義兄さん達もしたでしょ?」
「しましたよ。今でもしようとすればできます。」
「ち、ちょっと…。」

未亜が言うと、

「私が惚れたのですから。惚れた女にできないのはひどい男だろ?無責任。惚れたくせに。なんてね、9人もかわいい子供を生んでくれて。何回もそろそろ…と言われたのに拒まなかった。かわいい人ですよ。」
「……。」

未亜は照れる。
息子は、

「何で母さん、父さんを好きになったの?」
「…しかいなくさせられたの。私も強引な人、好きだったみたい。何より積極的にアピールされたら堕ちるわ。あの目を見たら逆らえなくなる。目がきれいなのよ。」
「……。」
「結婚できたのはいろいろと4人の周りで起こっていたから。」
「……。」
「伯父さん…。」
「手放しに喜べない真実だよ。」

未亜は、

「だからね、子供達には幸せになって欲しいの。悠もそうだよ。忘れないで?あなたがいるとわかった時のあのナオキの愛情。横で聞いてて思わず笑っちゃった。」
「あ、あの時…!?」
「いたわよ。本当に鈍感。確かにプロポーズ前だけどさ。あさみには突かれてたわよ。お姉ちゃんの何?って。」
「…知ってたのか?」
「うん、聞いてた。あさみには気付かれてたのにナオキは鈍感なんだもん。」
「…騙された。」
「まぁ
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