新月の夜
結婚生活。祐貴、男になる。
麻友美のお腹は大きくなる。二人は一緒に住み始める。絢美達のすんでいるマンション。悠太も協力的だ。麻友美がお腹が重そうに歩いていると、後ろから優しく支えてくれる。

「う…!?」
「どうした?」
「…今、赤ちゃんにお腹蹴られた…。」
「本当に?」
「よく動くよ。聞いてみる?」

悠太は耳をお腹に当ててみる。

”ドクン…ドクン!”

心臓の高鳴り。動いているようだ。

「パパだよ。」

優しく囁いてみる。
反応する。

「わかってるみたいだよ。話し掛けたら反応するの。へへ。」

キス。

「んっ…。もう…だめだってば…。赤ちゃんの為だ。んっ…ふっ…。」


祐貴が遊びに来ている。祐貴は麻友美のお腹をなでなで。

「動いてる。男の子?」

麻友美は、

「わからない。どちらでもいいよ。」

祐貴はお腹に、

「キミは男の子?」

お腹の子供は反応する。
祐貴は笑って、

「男の子みたいだね。」

そこへ、

「こんにちは。」

仕事がオフな絢美と亜希が来る。
絢美は祐貴を見るなり走って、祐貴に抱き着く。

「わっ…!?」

祐貴は驚くが、無意識に絢美を優しく包み込んでいる。

「今日はオフ?」
「うん。確認してから行こうかなって思ってた。姉さんが一人だし、姉さんの子供、楽しみだしね。」
「いいよ。こうしてればいい。」
「…お兄さんの前はやはりどうすればいいのか…。」
「構いませんよ。姫が幸せなら。私は姫の幸せを願う者。干渉しません。君を認めています。」
「……。」
「気にしないで下さい。妬んだり、怒ったりしません。醜い。それは、ちゃらちゃらしたいかがわしい男は認めませんが、絢美はそんな人選びませんよ。」
「……。」
「少しでも忙しい仕事から解放されれば、癒されればどれだけ私にとっても幸せか。私は絢美を仕事というもので縛り付けている。いくら助けを呼んでいても…。」

絢美は、

「そんな…お兄ちゃん優しいもん。縛られてない。お兄ちゃん好きだよ。お兄ちゃんと仕事出来て誰よりも嬉しい。えらいの、大変なのわかっているから。携帯電話が何度も鳴って予定を打ち合わせする。私のアピールを必死にしてる。」
「当たり前だ。かわいい妹のいい所をわかっていないな
< 237 / 257 >

この作品をシェア

pagetop