新月の夜
?」

兄と麻友美は笑う。


絢美と亜希とあつきらはオフで、絢美の部屋には両親が来ている。
父は孫(あつきの娘、阿由葉)を抱いている。父は初孫なので可愛くて仕方ない。阿由葉はおじいちゃんとわかっているみたいで、ぴょこぴょこと小さな手を動かしている。

「阿由ちゃ〜ん。」

父は何度も声をかける。絢美と亜希は笑う。

「相変わらずだね。」

あつきは、

「…よく父さんから阿由葉の声が聞きたいと電話がかかって来るんだぞ。」

史奈は、

「いいじゃない、阿由葉だっておじいちゃんやおばあちゃんはいい刺激になるわ。離れて暮らしているのよ。阿由葉も嬉しそう。ほら、笑ってる。」

父は、

「亜希、彼女はできたのか?」

亜希は、

「いません。」

あつきは、

「兄さん、そろそろ彼女作らないとホモ説や…やめとこ、殴られるし、違うのわかってるし。」

母は、

「絢美は彼氏いるの?」

と聞く。

「どうして?」

絢美が尋ねると、

「きれいになったから恋してるのかなって。」

亜希は、

「いるよね?」
「……。」
「両親にも隠すのか?」
「……。」

母は、

「やっぱり。彼氏はいい人なんだ。」
「…はい、優しいです。」
「かわいいね。乙女のカオ。」


ピンポン♪

ベルが鳴る。
絢美は、

「誰か来たわ。見に行くね。」

亜希は、

「オレが行くよ。」
「大丈夫、モニター見て、怪しかったらお兄ちゃん呼ぶわ。」

絢美が行く。母は亜希に、

「絢美の彼氏はどんな人?」

亜希は、

「大学生です。絢美を大切にしています。」


絢美はモニターを見る。絢美は開ける。

「おはよう、絢ちゃん。」

麻友美と悠太と祐貴だ。

「来ちゃった。祐も連れて来たよ。」

絢美は祐貴に抱き着く。

「嬉しい。祐ちゃん。」
「おはようございます。」

祐貴は応えてハグ。

「祐ちゃん、大好きだよ。」
「僕もだよ。」
「ねえ。」

絢美は祐貴を見つめる。

「ん?」

絢美は少し背伸びして(玄関の段差があるので楽に)祐貴にキスをする。

「…大胆だな。」

悠太が麻友美に
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