新月の夜
お友達☆」
「来てるのか?」
「来てるから一緒に食事でもどうかな?って。個室のある部屋頼んで欲しいんだ。大部屋で。オレが頼むのは…。」
「わかった。何人だ?」
「えっと…大人9人の赤ちゃん一人だなぁ。」

祐貴はびっくり、

「…僕も?」

麻友美は、

「お姉ちゃんの側にいなさい。いいでしょ?」
「……。」

父は、

「わかった。」

悠太は父に、

「座敷は避けて?掘りごたつみたいなものはいいけど。」
「わかってる。麻友ちゃんもいるからな。また電話する。それまで待機していなさい。」
「はい。では、奈央、切るよ?」
「きゃっ☆」

切る。

「父も母も大丈夫みたいです。また連絡があります。」
「ありがとうございます。」

絢美の両親は言う。

「こうなったのは亜希のおかげよ。本当にあなたには感謝してる。あつきと絢美をよくまとめてる。あなたも早くいい人を見つけて欲しいわ。」
「……。」

悠太は祐貴に、

「これでわかったろ?坂井家に挨拶に行った時の止まらない汗の理由。」
「…その時にはお腹にいたくせに。僕と兄さんは泣く泣く許した。大会社の社長さん夫妻も一緒に来るもん。帰った後の父さんは萎縮してた。」
「その社長さんもできちゃった婚だよ。24の時に5つ下の未成年に手を出した人。」
「……。」

そこへ電話が。悠太は出る。

「もしもし、…はい、わかりました、行くよ。母さんは?…やっぱり張り切ってるんだ。…な〜お、楽しみか?また抱いてあげる。ははは、わかったから。じゃあ切るよ。」

絢美の母親は悠太に、

「妹さんかわいいのね。」

と言う。

「年の離れた妹ですから。甘え好きなんですよ。見掛けたらすぐにだっこをせがむんです。膝に触れて、目線に合わせてじろ〜っと見つめられるとだっこの合図です。しつけはします。前はわがまましてて、怒ったらしゅん…としてるのですよ。構ったらにこにこして、甘えられたら弱いですね。喋りはしないのですが何か喋りたそうです。」
「ふふふ。」
「場所が決まりました。〇〇です。現地集合です。」

亜希は、

「では向かいましょう。私とあつきの車にて家族で向かいますので、悠太君らは…。」
「わかっています。義弟は運転どころではなさそ
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