新月の夜
うなので私が運転します。」


車の中。心臓バクバクの祐貴。麻友美は優しく、

「ほら、触って落ち着いて?」

お腹を触らせる。動いている。

「姉さん…。ほら、お兄ちゃん頑張って?って、ねぇ?」

麻友美はお腹に語りかける。すると反応する。

「ほらね、言ってる。」

にこっ。

「ありがとう、姉さん。」


約束の場所。悠太の家族が来る。

「ごめん、待った?」

父が言うと悠太は、

「待った待った、待たせると高いよ〜。」
「いいよ、払うから。」

父は絢美の両親らに、

「お久し振りです。」

挨拶。
悠太の母は絢美の母と抱き合う。

「あさみ、元気してた?」
「お姉さま、元気よ。大きくなったでしょ?奈央。」
「そうね、前会ったのは生まれてすぐだったもの。」

兄に抱かれていた奈央は下りて、悠太のところへてくてく歩いて、ポンポンと叩いて見つめる。悠太は、

「だっこだな?」

言うと奈央はかわいく頷く。悠太は奈央を抱く。奈央はきゃあきゃあ喜ぶ。


中へ入る。

「いらっしゃいませ。」

オーナーらしき人が出てくる。父はそれを見て、

「お前…スギだろ!?」
「え…なんで知って…予約簿…えっと…。」
「平川ナオキだ。ナ…ナオキ!?」
「あの…そうだ。あの時の彼女は…?」

あさみを見る。

「あ…。」

そして和也を、

「息子…さん?」
「あぁ。長男だ。」
「他にもいるのか…?」

奈央を抱いている悠太を見つけ、

「えっと…整理しないと…。」
「次男と長女だよ。」
「ナオキ…お前、社長!?」
「そうだけど。4代前から。」
「うそだろ…大会社の…。」
「大袈裟な。」
「あ…そういや、金魚の糞と豪語していたあいつと、彼女のお姉さんは?」
「義人と未亜だね。知らないんだね。」
「へ?」
「未亜は9人も子供がいる。義人は、その9人の父親だ。わかるか?義理の兄弟。妻の姉さんとその旦那。」
「はぁ!?」
「…そろそろ入れてくれないかなぁ。プライベートな人達がいるし。」
「…わかった、ごめん。」


案内する。

「スギはオーナーなのか?」
「ああ、料理長は弟。」

和也は、

「父の知
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