新月の夜
わいい孫。和也は初孫で、悠太は3人目の孫。」
「…嘘だ。俺らの事何とも思ってないくせに!だったらDNA鑑定なんて卑怯なマネなんてしない!」
「…気付いたのが遅かった。悠太が中学生くらいの頃だ。やはりあさみさんの事を快く思っていなかった私は朝から見張っていた。」


和也は、

「行ってきます。」

母は、

「行ってらっしゃい。」
「母さん、早く帰って来るからね。」
「待ってるわ。」

和也は母を抱いて、

「僕は母さんの味方です。いつもお弁当ありがとう。おいしいよ。」
「…いつも言うんだから。悠太も真似るじゃない。」
「ふふ、母さんは愛され上手ですから。」
「誉め言葉?」
「はい。じゃあ、行ってきます。」


和也は高校へ。次は悠太。同じく母を抱いて、感謝の言葉。

「悠、お兄ちゃん真似なくてもいいのよ。」
「俺の意志だもん。じゃあね。」


ルンルン。暫くすると、ナオキもスーツに着替えて出てくる。

「あさみ、少しの間のお別れだ。」
「いいよ。すぐに会えるもん。」
「そうだね。さて、行こうかな。」

ちゅっ。

キス。

「待ってる。愛してる。」


ナオキも行く。あさみはすぐに支度をして、通勤(あさみは電車)。

「……。あの女さえいなければ…何で愛されてる?」


帰り、あさみは電車を降りて、買い物をしている。

「今日は何にしようかしら?」

あさみは歩いている。生鮮食品。

「あら、野菜が安いわ。麺類も安い。野菜たっぷりのスパゲッティでもしようかしら。肉類も必要ね。」

お肉屋さん。

「奥さん、いらっしゃい。今日は何にするかい?」
「野菜たっぷりのスパゲッティーでもしようかと思っています。それだけでは食べ盛りの二人の息子に悪いわ。いいレシピないかしら?」
「若いのにしっかりしてるねぇ。」
「高校生と中学生の息子ちゃん。」
「高校生なんていくつで産んだの?」
「20です。二人の息子はかわいいです。少し離れて欲しいかななんて思っても私も弱いのね。あんな事言われたら嬉しくて。」
「何て?」
「感謝の言葉ばかり。思春期だから反抗するかなと思っていたけど主人がいい人だから、本当にいい子になって。主人には感謝です。」
「ラブ×2ですね
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