新月の夜

「悠太さっきからくしゃみだらけだぞ。さては噂されてるな。」
「…うるさい。それは迷信だ。」

「マネージャーさん羨ましいんだろ？麻友美ちゃんの声を間近で聞いてるんだぞ〜。」
「あのなぁ…。」

弓削は、

「あのマネージャーさんもかわいそうだよね。」

沙織は、

「仲が良いと思うよ。ａｙａさんとマネージャーさん。」
「何で？」
「みんな困惑。」
「ああやって仲が悪そうに見えるけど。お互い、すごく穏やかで優しい顔してるの。」

美里は、

「愛し合ってる？」
「わからない。でも可能性はあるかも。」

悠太は、

「恋人？…確かに、本当に嫌だったら、まがまま言ったり、殴ったりしないし。マネージャーさんも耐えられないかもな。」

誠治は、

「でも、マネージャーさんとの交際ってご法度じゃなくない？」

弓削は、

「だからこそ燃えたりして。裸で抱き合ったりしてさ。」

みんな妄想。聞こえてくる声。優しくて、更に想像を膨らませる。


みんな入室許可が出る。ライブより貴重。近くで聞ける。マネージャーは、じっと聞いている。ａｙａは、マネージャーに、

「牧野、表情硬い…。」
「…真剣に聞いてますから。」
「みんなびびる。ただでさえ一人年上だし。」
「２４です。本当、年覚えないですね。５つしか違いませんのに…。」
「覚えてます。２４で年言ったら無礼では？」
「構いませんよ。はぁ…あなたが妹みたいならどれだけいいものか。」
「…妹大好きね。」
「絶世の美人ですから。」
「…はぁ。」

事情の知っている麻友美は、

「……。」


帰り、麻友美と悠太は二人きり。悠太は、

「あの二人仲、いいのか？」
「へ？」
「何か隠してない？３人でいたくせに。」
「…誰にも言わないなら言う。」
「言わない。」
「…仲良しだよ。」
「やっぱり…。恋人？」
「…違う。確かに名前では呼ぶけど。二人の話の矛盾。」
「話？」
「…年を覚えてない…。あれは嘘。お互い年、知ってる。妹大好き？あれは本当の話。…ただ、妹見たいは嘘。」
「は？」
「すぐそばにいるよ。あの人の妹。」
「すぐそばってまさか！？」
「兄妹よ。あの二人。」
「え…。」
「会った時にすぐわかった。目