新月の夜
「麻友、その男のどこがいい?」

麻友美は悠太の額にキスをして。

「お兄ちゃん。私の答えはこれよ!」

悠太に濃厚なキス。

「はぁ…はぁ…。」

木陰の祐貴は唖然。兄は、男の為に睨む麻友を初めて見た。

「…ごめん。麻友をどう思ってるか聞き出そうとしてただけ。いざ麻友の男だと思ったら腹が立って…。でも兄の前でキスするなんて並大抵の覚悟ではできないよ。」

麻友美は気付き、赤くなる。そこへ、

「あれ?坂井先輩どうしたのですか?」

悠太の兄。麻友美の兄はびくっ。

「ひ、平川さん!?」

悠太の兄は、二人を見て、

「相変わらず仲良いですね。」

悠太は、

…何しに来た、クソ男!」

麻友美の兄は、

「社長のご子息さんに何て事!」
「卒業生ですから、見に来てもおかしくないでしょう?悠ちゃん。」
「…馴れ馴れしい。」

悠太が言うと、

「じゃあ何て呼べばいい?」
「好きにすれば?」
「社長のご子息に…。」

悠太は平然と、

「うちの父が何か?」

麻友美は、

「〇〇〇(会社の名前)の御曹司!?」

悠太は、

「大袈裟…。普通のオヤジだよ。」

悠太の兄は、

「よくわかりましたね。親の会社。」

麻友美の兄は、

「妹です…。」
「弟の彼女が先輩の妹…。」
「おい、祐、来い。」

祐貴が現れる。

「話は全部聞いたよ。」

麻友美は、

「祐貴、あなたもいたのね!」
「…姉さん。」
「知らない!」

麻友美は怒って、

「行こ。」

悠太を連れて行く。悠太は去り際に。

「すいませんでした。」

麻友美の兄に謝る。


「信じられない!」

麻友美はイライラ。悠太はドキドキ。

「お兄さん…。」

麻友美は悠太に、

「何で言わなかったの?相当なお坊ちゃまじゃない。」
「大袈裟。普通だよ。…ごめん。」
「言って欲しかった。隠さないで。」
「…次男だし。言うと嫌な奴だと思った。」
「嫌いにはならないわ。そこまでしておいて嫌いになれる?」

美里達が、

「あ、麻友。もうすぐ到着って。」

兄はある日悠太の部屋に忍び込む。髪飾り。

「…悠ちゃん、オ
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