新月の夜
男同士の話
絢美が来る。

「まゆたんだぁ。」

ハグ。

「あやちゃん。」
「ちゃんとウイッグと衣装持って来たよ。ね、お兄ちゃん☆」
「…はい。」
「大変ですね。お兄さん。」
「…いや、かわいい妹ですから。」

悠太は、

「ちょっとマネージャーさん、いいですか?」

マネージャーは、

「いいですよ。」

付いていく。

「何ですか?」

悠太は恐る恐る、

「もし妹が男の人に奪われた時、兄の気持ち、憎いですか?」

マネージャーは座って、

「いきなり何言うのかと思いました。」
「…二人兄弟の次男ですから。」
「そうだな。兄の考えでは憎いかも知れません。」
「何故?…。彼女か。」
「…。」
「誰?」
「…。」
「あやか?」
「…そうならお兄さんには言いませんよ。」
「麻友美さん…は弟だったような。でも彼氏いるとかうっすら聞いた。確かゆうちゃんだったっけ?妹がこぼした。」
「…オレユウタですけど。」
「君ですか。」
「…あいつは弟だけじゃない。兄もいる。」
「…で?」
「殴られた。兄はみんなそう思うかなと…。」
「いかがわしい事するなら怒るかもね。」
「真剣な恋をしてます。…あいつの考えはどう言うかわからないけど。半年の片思い。…貞操はその前に奪ってしまったけど。」
「いかがわしいね。」
「…戻れるなら戻りたいですよ。まともに告白したかった。どうしようもできなかった。嫉妬深い性格はやめたい。…イライラするんです。」
「でもね。兄は妹の幸せを願う。認めなくてはいけない。それも兄の役目だと思うよ。」

亜希は悠太の髪を撫でて、

「誠意を見せればいい。最初はどうであれ、逆らえないさ。私は絢美に運命の人が現れても何も言わないさ。運命は一つ。絢美を信じてる。君は彼女を信じれば良い。それが答えだ。」


用意する麻友美。ウイッグ試着。変身☆

「かわいい。」

絢美は麻友美を抱きしめる。

ぐぅ〜。

麻友美のお腹が。

「あ…。」

沙織は、

「そうだ。繭子たちに…。待ってて。」

沙織は外へ。

「もしもし?繭子、お金払うから、食べ物数人分、〇〇に持って来て?夏菜も連れて来て。」

二人は来る。沙織は外で待っていた。

「ま
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