新月の夜
「へへ。甘えちゃった。」
「…妹には甘い。」
「鍋パーティー約束だよ☆」
「いいよ☆」


悠太の帰った頃、部屋。

「!?」

机に髪飾りが。悠太は髪飾りをひらい、

「これは…片思いの時、きっと似合うだろうと。これを彼女だと思って。…無くしたはず。毎日考えていた。好きで好きでたまらない。いつか贈りたくて、叶わなくてもそれでもよかった。想っているだけで幸せだった。」

悠太は髪飾りにキスをして、

「あれから彼女とキスして、抱き合うことができた。幸せ。」

(…やはり彼女のために。)

兄は覗いていた。

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