新月の夜
だろ?」
「だって私、弟でもお兄ちゃんでも平気で歩けるよ。」
「…麻友ちゃん。」
「何かあったら絢ちゃんに泣いて怒られるよ。それにお兄さん彼女いるじゃない。」
「…でもね、さすがにもよおしたら…。」

あつきは、

「ないですよ。それには何人に軽蔑される?あ〜やには泣かれ、兄さんには力いっぱい殴られる。彼女に泣かれのが一番辛い。できやしないですよ。」

3人は何も言えない。

「みんな乗りましょう。5人乗りなので少し窮屈かも知れませんが我慢してください。」

男3人後部座席、麻友美は助手席。妥当な並びかたなのだが、悠太はやはり苛々する。麻友美には伝わってくる。あつきは、

「安全運転しますが何かあれば何なりと申し付けてください。」

3人は、

「講義の後に何で30分も話があるんだよ。また、眠くなるようにとろとろと。」

あつきは、

「大学生の話ですね。私も大卒ですから。よく眠くなりました。大学は楽しいですか?一瞬一瞬が大切。3年生は、周りが就職のことを考え始める頃。悩んで、適性に合うように。」
「…。」

やはり悠太は複雑。麻友美は、

「何よ、難しい顔して。」

悠太は、

「いろいろあるんです。」
「変なの。元気にいこうよ、元気に。」

ほっぺを伸ばす。

「ぶっ…。」

弓削は笑って、

「悠ちゃん変なカオ。」

誠治も笑う。悠太は、

「…うるさい。」

と言い、じゃれる。麻友美もくすくす笑う。

「みんなみんな笑いやがって…。」

あつきは、

「みんな仲良しですねぇ。」

誠治は、

「仲良くないといけないですよ。仲良さがうりですから。」


スタジオに着く。みんなと合流。まだまだ時間は余裕。あつきは電話が鳴ったので退席。沙織と美里は用意できてる。悠太は、

「みんないいかなぁ…。」

と4人を外に、二人きり。麻友美は、

「どうしたの?…怒った顔してる。」
「…無防備な女。」
「は?」
「男と二人。」
「だから言ってるじゃない。信じて…いやっ!?」

悠太は麻友美を壁に追い込み、キス。

「ん…いやっ!」

動けない。それどころか悠太は麻友美の服をはだけさせ、胸の谷間の上に痕をつける。

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