新月の夜
「やめて!」

涙。

「…何もわかってないのは悠よ!ひどい…無理矢理するなんて。あの人達と同じ!力ずくで…。」

涙。

「私が恐かったことくらいわかるじゃない。あの人達は…悠は見たじゃない。怖い…怖い!!」

悠太は麻友美を抱いて、髪を撫でて、

「ごめん。」
「…ひどいよ。」

外ではあつきが戻ってる。

「あれ?どうして外に?」

誠治は、

「今、中に入らない方がいいですよ。」
「へ?」
「…多分。」

あつきは、

「何が?中で何があるのですか?」

あつきは不思議そうに入る。

「…!?」

悠太に髪を撫でられている泣いている麻友美。あつきはドアを閉め、

「女の人を泣かしましたね。いけない人ですねぇ。」
「…。」

近寄る。麻友美はひくひくしている。麻友美の服は開けていて、悠太の唇の痕。あつきは察知して、

「…無理矢理しようとしたね。彼氏は君だ。」
「…うるさい。」
「やめて…。」

麻友美は止める。あつきは、

「私は女の人の扱いはよくない方ですけどあなたはわかってない。だから苛々してたのですね。妬かなくても大丈夫ですよ。彼女、あなたのこと想ってますから。傷つけるより、信じて大切にしたらどうです。彼女のキモチはそう変わりませんよ。」
「…。」
「それよりはだけた服、直してあげなさい。…ふぅ。ニュース持って来ましたのに、君は悲しませるから。女性はナイーブですよ。男は良くても、お腹を痛めるのも、苦しむのも女性。紳士に扱いなさい。」
「…。」
「CMの依頼が来ました。兄さんから連絡ありまして、〇〇からあったらしく、日曜日に説明があるらしいです。」
「!?」
「名前を聞いて悠太は目を見開く。」

麻友美はあつきに、他の4人には会社の名前言わないであげて下さい。全てをばらしそう。」
「はい?」
「…おい。」
「言えば気を遣うわ。スタッフにばらされてもいいの?」
「…。」
「何かあるのですね。」
「私は何もないです。彼が落ち着いたら真実を話すと思います。今は動揺してます。」
(…聞いてない!?)

あつきは承諾する。


二人きり、

「…親父何考えてるんだ。何も言わずに。」
「…。」
「探りに来るかもしれない。反対は
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