新月の夜
「…最後におねだりしていいですか?」
「ん?」

ちゅっ、

あさみは背伸びして男にキス。

「また会えますよね?」
「…きっと。」
「なら待ちます☆」


あさみは姉を探しに行く。姉はあさみを見つける。

「あさみ!」

抱きしめる。

「あ…。」

放す。あさみは恋の温もりを忘れたくない。姉は、

「平川直樹とデートしたのね。」
「……。」
「あさみ!」

あさみは寂しくなって泣いてうなだれる。

「あさみ…。」


帰ってもあさみは部屋にこもる。頭にはナオキしかいない。

「うぅ…うぅっ……。」

寂しい。
毎日会いたくて泣いた。
一方ナオキは、

「彼女は?」

ちやほや。

「…何もないよ。」
「え〜っと、あさみちゃんだっけ。本多さんの妹。」
「だから何もない!」
「いや〜いじらしい。」
「…。」

話を聞いている姉。

(妹を忘れさせないようにキス奪ったんじゃないでしょうねぇ)

「へっくしょん。」

ナオキはくしゃみ。

だんだん美しくなるあさみ。口紅も、服もピンク。姉と買い物。かわいい服。

「どんな服が喜ぶのかなぁ。」


姉はあさみの部屋で日記を見つける。毎日会いたいと書かれている。

「…毎日、まさかカラダまで奪ってないでしょうね。」

姉はナオキを伺うがそんな様子はない。
ちやほやされてる。

「…みんなよく懲りないわねぇ。」

あさみの想いは大きい。ナオキの為にきれいに着飾るあさみ。化粧をしたり、鏡の前で服着たり。かわいい。姉は妹を見て辛くなる。

「合わせた方がいいの?」


2月、姉はナオキを呼び出す。あさみも姉に騙されて公園へ。
コートにミニスカート。ニット帽にふわっと結った髪。

「お姉ちゃん遅い…。」

そこへ、

「!?」

あさみは直ぐに走る。

ぎゅっ。

「!?」

ナオキはびっくり。

「会いたかった。」

涙。

「…。」

ナオキは目を疑うがあさみの優しい抱擁に落ち着く。

「…考えない日なんてなかった。会える事だけ信じていました。寂しくて泣いて、死にそうでした。…もう一度言います。あなたが好きです!初めて見た時からあ
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