新月の夜
た。」
「呪いの子供?」
「…抱きしめていたら、あさみは不安で逃げたりしなかった。……一人で育てるつもりだろう。彼女は幸せそうに微笑んでいた。」
「ダメ。お兄様の子供、男の子なら呪いが…。お兄様の遺伝子がある限り。」
「あぁ。…その箱。指輪だ。彼女の為の。見つけたら結婚を申し込む。オレの嫁はあさみしかいない!!」


あさみは目が覚める。

「赤ちゃん!?」

お腹を押さえる。

「大丈夫。眠ってても悪阻の症状が出てる。」

あさみは涙。

「あなた強いね。」
「愛してるあの人の分身だと思うと愛しい。」
「…シングルマザー?」

あさみは頷く。そして母親の優しさを見せる。

「いい子よ。」

あさみに指名が入る。

「指名停止です。」
「は?」
「…妊婦さんには触れさせません。」
「え…妊婦?」
「ここへ来る前から気付いてたみたい。シングルマザーよ。」


あさみは朝はセールス。ある日、

「すいません。訪れた先には、赤ちゃんを抱いて、2人子供を連れた母親。」

少しお腹がふっくらしたあさみは、

「…かわいい。」

呟く。女性は、

「かわいいでしょ?」
「はい。」

あさみはお腹をさすって、

「この子もかわいいだろうな。」
「妊婦さん?」
「はい。」
「何ヶ月?」
「…5ヶ月みたいです。」
「あら、安定した?」
「はい。最近ひどかった悪阻がおさまってきたばかりです。」
「触ってみます?赤ちゃん。」

あさみは、

「わぁ〜。」

感動。

1才の子供があさみを興味深く触る。

「あき…ごめんなさい。」
「あさみは笑顔。」
「♪」

気に入る。

「あき、お姉さんの事気に入っちゃった。」

あさみは母親と打ち解ける。母親は、

「19っ!?」

びっくりするが。受け入れる。いろいろとサポートしてくれる。あさみはあきに好かれる。


「あき…男だろ?どこかで聞いた名前…。」
「?」
「気のせいか。で、父さんは?」
「探していたわ。ネットでも。だから再会できた。」


あさみがいなくなって半年後、ナオキはまた落胆して帰る。元気はない。あさみを一日も忘れた事はない。
ネットを見る。メールだ…。
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