新月の夜
さみを抱擁して、

「あなたが運命なら相手も運命だと感じている。あなたみたいなかわいいコ。生半可なキモチで子作りしてないよ。」
「…赤ちゃんがいるとわかった時、嬉しかった。彼の子供が産めると思うと、生まれてよかったと思った。」

女の人はあさみの髪を撫でて、

「あなたはいないとダメだよ。」

あさみは、

「ああっ!?」

ズキズキ、

「…あ…痛い、いたたたた。」
「大丈夫!?」
「…蹴るの…ああっ!!」

そこへ、

「あさみ!?」

ぎゅっ。

「…もうどこにも行かないでくれ!!愛してる。」

囁く。
あさみは感じる。

「…お兄様、プロポーズなら場所を選んで?」
「遊佐!?」
「そっかぁ、やっと思い出した。お兄様の探してたコだ。お腹大きいね。写真を見た時はひっこんでいたから。」
「え?」

ナオキは、

「2コ下の妹の遊佐。心配かけちゃだめだよ。お兄様疲れるくらい探していたのに。180万もする指輪まで買って毎日、枕元に置いて眠っていたのに。」
「遊佐…値段知って?」
「領収書見たよ。400円の印紙貼ってあった。」
「…勝手に部屋入ったな。」
「よく入るよ。」
「…遊佐!」
「お兄様かわいいのよ。本当にあなたが好きで、寝言もあさみ…って。」
「…。」
「ネットでも探してた。毎日、仕事終わったら捜して、ぐったりして帰ってくる。玲、理由は知らないけど心配してたよ。」
「…話すな。恥ずかしい。」
「私もあなたを離さない。3つ下のお姉様。」


「…おねえちゃん。」
「あさみ?…会いたい。どこにいるの。心配してたのよ。」
「…今日、いつ大丈夫?」
「5時に仕事終わるわ。」
「…〇〇で待ってる。」
「もうどこにも行かないで!離さない。」
「…私を見ても驚かないでね。」
「…あさみ?」


約束の場所、あさみの姉、美亜が急いで来る。

「あさみ!…まだ来ていないの?」

待つ。あさみは隠れていた。ナオキに促される。あさみは頷く。

「…お姉ちゃん。」

美亜は振り向く。

「!?」

美亜は驚く。

「あさみ…そのお腹!?」

あさみはお腹を優しくさすって、母親の笑顔で。

「赤ちゃんだよ。」

美亜はあさみに駆
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