新月の夜
あ〜やもそう思わない?兄さんはしっかり者だぞ。僕より。」
「当たり前。あつきお兄ちゃんは軽いもん。」
「…信じられてないな。いつもの冗談なのに。」

亜希は笑う。


テーマは日常。アウトドア編、フリースロー編、前者は、7人で車で海へ。

「…誰か運転かわってよ。」

運転手誠治が後ろに言う。

「う.な.じ。」

麻友美が悠太の後ろを撮影する。

「ば…ばか。何撮ってる!」
「マニアいたらたまらないよ〜。」
「ね〜。」
「…。」
「…かわってくれそうもないな。」


ビーチ。

「おまたせ〜。」

期待している男たち。中に水着着て、Tシャツ、短パン又はスカートの4人。がっかりしてる。
沙織がビデオ撮影。

「誰がお目当て?」
「…。」
「男ってばかね。」


後者。フリースロー。麻友美は、なかなかボールが入らない。そこへ。
ひよいっと悠太がボールを奪い。決めてみせる。

「ほらね。」

にっこり

(ち〜び)

イラッ。

「いくよ。」
「え…。」

女4人に囲まれる悠太。

「うわ〜!?」

残りの男達はカメラ回して、

「女と張り合おうなんて無謀だね。ほらね。くたくた。」
「ま、しかたないね。」
「…少しは助けろよ…。」


アドリブだらけ。生き生きした姿。見ていた悠太の父は、

「悠が楽しくしてる。すごく仲良くて、幸せそう。あいつが進んだ道は確かだ。あんなに柔らかな笑顔を出せるのは仲間がいるから。あのコ達なら悠を任せられる。羨ましい。」


撮影は終わる。みんなハイタッチして、喜ぶ。

「お疲れ様です。悠太の兄が挨拶に来る。」

兄は麻友美の腕にそっとキス。悠太はいらっ。

「何しやがる!」
「悠ちゃん。父さんに聞かれてもいいのかな?」
「…うるさい!」
「まだ知られたくないでしょう?まあ、母さんも隠すタイプですから。できちゃった婚だし。半年は隠れてたみたいですけど。父さん鈍感だし。隠すなら隠してもいいですよ。言わないし。でも、呪われていても、それは男ですから羨ましいし、自分の感情も出したいですよ。ですから。」

ぎゅっ〜。

「!?」

兄は悠太を抱きしめて。

「これであいこ。」
「…何の
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