あなたへ
次の日…。





気まずい。



非常に気まずい。



「や…。やあ……。」



よりによって朝から


月島雫に会ってしまった。


あぁー。何でバスで学校行こうと思ったんだ私。



自分のタイミングの悪さに


拍手してやりたい。




「あ…。ああ、渡辺さん。




な、何で駅にいるの?」



月島雫は少し赤い顔で


マフラーに顔を埋め


恥ずかしそうにしている。


お前は…



告白前の女の子か。



「き、今日はさ、気分でバスで来たんだ。」



「そうなんだ。



じゃあ一緒に学校行こうかあ?」



私から目を反らしながら言った。


目泳いでるし。


声裏返ったし。



「ブッッッ!!!」



おもしろ!



「わ、笑うなよ。」



声どもってますけど笑



「行こうか!!」



私達はまだまだ肌寒い中



身を縮めながら


歩き始めた。
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