僕らは知らなかったから



バシャっ…


水がこぼれる音、物にかかる音、
滴り床に落ちる音。


その音がほぼ同時に来たその時には
凪沙の体は髪からジャージまで
牛乳まみれだった。


その瞬間うちは気持ちよくてたまらなかった。


凪沙は微動だにせず座ったまま。
長くたれた髪の毛のせいで顔が読み取れない。


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