足音さえ消えてゆく
まぁ、思いつきで行動する涼子のことだから仕方ないにしても、問題はホテルだ。
今晩の涼子の宿泊先がない。
それを危惧して言うと、
「大丈夫、ホテルなんてこっそり入ったら分からないから」
と自信満々に言ってのけたのだ。
かくして、私たちはホテルに戻り、何食わぬ顔で涼子は私たちの部屋にやってきた。案外バレないものだ。
そのまま一息つくひまもなく、私たちは町へ繰り出した。
「札幌っていっても、あんまり俺らの住んでる町と変わらないな」
先を行く優斗がビルを見上げながら言う。
「まぁ、そんなもんでしょ。でも向こうに見えるのがテレビ塔じゃない?」
菜穂が指差す方を見ると、東京タワーに似た赤い塔がビルの間から生えていた。
「興味ねー」
チラッと見た優斗がぼやく。
「あのさ」
涼子の隣を歩く小浜がみんなの注意をひきつけるように手を振って言う。
「小樽・・・なんてどうでしょうか?」
「小樽?うん、いいわね」
涼子があいずちをうつ。
今晩の涼子の宿泊先がない。
それを危惧して言うと、
「大丈夫、ホテルなんてこっそり入ったら分からないから」
と自信満々に言ってのけたのだ。
かくして、私たちはホテルに戻り、何食わぬ顔で涼子は私たちの部屋にやってきた。案外バレないものだ。
そのまま一息つくひまもなく、私たちは町へ繰り出した。
「札幌っていっても、あんまり俺らの住んでる町と変わらないな」
先を行く優斗がビルを見上げながら言う。
「まぁ、そんなもんでしょ。でも向こうに見えるのがテレビ塔じゃない?」
菜穂が指差す方を見ると、東京タワーに似た赤い塔がビルの間から生えていた。
「興味ねー」
チラッと見た優斗がぼやく。
「あのさ」
涼子の隣を歩く小浜がみんなの注意をひきつけるように手を振って言う。
「小樽・・・なんてどうでしょうか?」
「小樽?うん、いいわね」
涼子があいずちをうつ。