足音さえ消えてゆく
ふと気づくと、教室からはほとんどの生徒がいなくなっており、教壇にも2人の姿はなかった。
ようやく、指先をみつめる視線が解除され、私はまわりを見渡した。
曇り空のため、いつもの放課後よりも暗い感じがする。
「カナ・・・」
声に横を見ると、菜穂が優斗の机に腰をかけてこっちを見ていた。優斗も同じように困った顔をしている。
「あぁ、ごめん。ぼんやりしちゃった」
うまく笑顔が作れたかどうか。
「大丈夫?」
菜穂が前の席の椅子にこっちをむいて座る。
「うん、全然大丈夫じゃない」
そう言って笑うと、次の瞬間菜穂の大きな瞳から涙がぽろぽろとこぼれた。
優斗がギョッとして、
「なんで菜穂が泣くんだよ、泣くならカナのほうだろー」
と、驚いている。
ようやく、指先をみつめる視線が解除され、私はまわりを見渡した。
曇り空のため、いつもの放課後よりも暗い感じがする。
「カナ・・・」
声に横を見ると、菜穂が優斗の机に腰をかけてこっちを見ていた。優斗も同じように困った顔をしている。
「あぁ、ごめん。ぼんやりしちゃった」
うまく笑顔が作れたかどうか。
「大丈夫?」
菜穂が前の席の椅子にこっちをむいて座る。
「うん、全然大丈夫じゃない」
そう言って笑うと、次の瞬間菜穂の大きな瞳から涙がぽろぽろとこぼれた。
優斗がギョッとして、
「なんで菜穂が泣くんだよ、泣くならカナのほうだろー」
と、驚いている。