足音さえ消えてゆく
菜穂と優斗が何も言わないので、私はそのまま続けた。
「だから、きっと好きな人ができたんだって分かったの。それは私が井上先生を好きだからこそ気づいた小さな変化だったと思う。そして・・・今年の夏休みだから8月くらいかな、駅前で2人でいるところを見かけたのよ。あー、岩崎先生がそうなんだって理解した」
「カナ・・・そんなこと今まで言わなかったじゃない・・・」
菜穂にそう言われるのは分かっていた。
私は「だってさー」と言いながら椅子の上で伸びをしながら、
「それを誰かに言っちゃうと、このことが現実になってしまう気がしてたんだもん。私は信じたくなかった。ひょっとしたら勘違いかもしれない、ってことに期待してたの。でも、現実になっちゃったけどね」
と笑って言った。
「おまえ、だから岩崎のこと毛嫌いしてたんかぁ」
優斗が感心したように言う。
「だから、きっと好きな人ができたんだって分かったの。それは私が井上先生を好きだからこそ気づいた小さな変化だったと思う。そして・・・今年の夏休みだから8月くらいかな、駅前で2人でいるところを見かけたのよ。あー、岩崎先生がそうなんだって理解した」
「カナ・・・そんなこと今まで言わなかったじゃない・・・」
菜穂にそう言われるのは分かっていた。
私は「だってさー」と言いながら椅子の上で伸びをしながら、
「それを誰かに言っちゃうと、このことが現実になってしまう気がしてたんだもん。私は信じたくなかった。ひょっとしたら勘違いかもしれない、ってことに期待してたの。でも、現実になっちゃったけどね」
と笑って言った。
「おまえ、だから岩崎のこと毛嫌いしてたんかぁ」
優斗が感心したように言う。