足音さえ消えてゆく
教室のドアを開けた私の目に飛び込んできたのは、いつもとは様子の違う菜穂だった。日ごろは教科書やテキストが開かれているはずの机の上には何も載っておらず、当の菜穂自身も椅子ではなく、教壇側の窓から外を眺めていた。
「おはよー」
そう言う私に、菜穂はなぜかあわてた様子で振り返り、
「今日ってさ、何曜日?」
と尋ねてきた。
「へ?今日は木曜日っしょ」
菜穂の方へ行きながら答えると、
「そうだよねぇ」
と、首をかしげている。
「どうかした?」
菜穂が見ていたであろう方を覗き込むように見るが、特に変わったところはないように見えた。
菜穂は自分の机に戻りながら、
「ううん、今日って全校集会だったかなぁって思っただけ。それより、カナ大丈夫なの?ちゃんと眠れた?」
と逆に尋ねてきた。
「おはよー」
そう言う私に、菜穂はなぜかあわてた様子で振り返り、
「今日ってさ、何曜日?」
と尋ねてきた。
「へ?今日は木曜日っしょ」
菜穂の方へ行きながら答えると、
「そうだよねぇ」
と、首をかしげている。
「どうかした?」
菜穂が見ていたであろう方を覗き込むように見るが、特に変わったところはないように見えた。
菜穂は自分の机に戻りながら、
「ううん、今日って全校集会だったかなぁって思っただけ。それより、カナ大丈夫なの?ちゃんと眠れた?」
と逆に尋ねてきた。