足音さえ消えてゆく
 涼子や優斗に父親がいなかったのは初耳だった。そういえば、家族の話をあまりしたことがなかったかも。

 再びコーヒーを飲みだした小浜を見ていて、私はある疑問が頭をよぎった。

「小浜さんて彼女いるんですか?」

「いや、いないよ」

「これは私のカンなんで、間違ってたらごめんなさいだけれども・・・」

「ん?」

「小浜さんって、涼子さんのこと好きでしょ?」

 
 ・・・小浜は再びコーヒーを噴き出した。



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