治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
なんと言葉をかけるべきか。
迷った。
迷ったのは、彼の様子からして罰――私からの責めを待っているようだったから。
「シブリールさんのせいではありませんよ」
出てきた言葉は、やはり彼の願望にそぐわない言葉だった。
戸惑ったような眼差しが向けられる。
責めてほしいと罰を求める目だが、今の私に彼を追い詰める真似は出来ない。
「あなたがああしなければ、私は今頃……想像に出来ないほどむごいことになっていました。
それがなくなって、代わりに出たのがこの程度の疲れ。そう考えたら、シブリールさんの罪など何もない。しょうがない、と言えることですよ」
それでも、と何か言う彼の服を引っ張る。
隣りにどうぞと、無理やり彼を座らせた。