治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
何よりも、道がむき出しの地面ではなく、きちんと整えられた道路。
馬車が行き交う。
私の村では馬が引くのは車輪のついた質素な荷台というのに、こちらでは屋根つきの煌びやかなもう部屋なんじゃないかと言える荷車だ。
煌びやかな街並みらしく、街にいる住人でさえ負けていない。
私が着るゴシックが衰えてしまうほど派手な服ばかり。
男性はほとんどがタキシードだったり、ベージュのスーツ。シルクハットも忘れてはいない。
女性はロングドレス。内臓をどこに捨ててきたと思うほど、コルセットでウェストをしめた綺麗な衣装だった。
どこかで舞踏会でもやるのかと思えてくるし、何よりも女性は頭に気合いが入っている。
「か、髪が盛り上がっている……!」