治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


「内部構造としては針金を入れてもっているらしい」


「髪に内部構造ですか……。花とか、装飾品が凄いですねぇ」


「今ここら一帯じゃ、あれが美しいと思われているみたいだね。派手さ=美しさ。目立ってこその美しさを求めているようだけど。

どいつもこいつも、ユリウスと比べればその足元にも及ばないなぁ」



「うわ、あの人ほそっ。コルセットしてて苦しくないんですかね」


「あれ、反応なしかい」


色々と口を挟む人をほっといて私は街を探索した。


かなり楽しい。

同じ大地に住んでいるのに、一日歩いた先はこんな異世界になっているのだから。


街並みは綺麗だった。

花とか、木々とか、自然の美しさしか知らない私にとって、人工的が大部分をしめる創作物(街)は夢の世界にでも来たようだった。


街の中心部あたりには噴水まであり、水を出す女神像にはやはり目を丸くする。


「私の村では、水出る場所は井戸だけなのに」


「噴水と井戸を比べるだなんて凄い感性だね。さすが、ユリウス」


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