治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
【ある日、森の治癒術師さんは森で傷だらけの男を見つけました。
優しい優しい治癒術師さん。自分が住む小屋へその人を連れて行き、三日三晩男の看病をしました。
男は治癒術師さんのおかげで元気になり、治癒術師さんにお礼がしたいと村の医者代わりである彼女の手伝いをしました。
ただ、その『お手伝い』は一ヶ月すぎても終わりません。
“あなたはあなたの用事があるのですから、私に無理につきあわなくていいですよ”
手伝いをさせていることに悪いと思った治癒術師さんは、そう言いました。
しかして、男は首を振ります。
“あなたを愛しています。このまま一緒にいてもいいでしょうか”
男は治癒術師さんに恋をしていました。
男の想いを聞いた治癒術師さんは戸惑いながらも、男を追い出すことはしていません。
今でも尚、治癒術師さんと男は一緒に暮らしていました。