治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


こちらが悲しくなってしまう。


涙がポロポロ。
胸が痛くて、記憶にあるモノが私に彼女を抱きしめさせた。


小さな温もり。
胸で喘ぐ彼女は。


「ママ、ママぁぁぁ!」


小さな手で私の服ごと肉を掴む。


痛かった。強い力で、やっぱりこれは夢じゃないと知る。



うすぼんやりの世界で、確かにあった意識がある。


残像みたく残存する私の記憶が――もう一人の女の子を知る私が、この時“こうされたかった”と言っていた。



胸元の小さな命を離さない。


悲しい、悲しい、悲しい。

よく伝わる思い。


悲しいだろう、今まで独りで生きてきたのだから。

悲しいだろう、一番好きな人がいなくなったのだから。

悲しいだろう、自分が求めているモノがいつも――。



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