治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
――天使が、そこにいた。
体が硬直する。
私の横で寝ていたのは小さな天使。ラブリーエンジェル。鼻をとっさに押さえたのは血が一気に頭に登ったから。
ネグリジェ姿の女の子。
ベッドすぐ横に窓があり、白い女の子を日の光が照らしている。
気候現象に天使の光というのがあるが、暗い雲の隙間からまるでスポットライトのように光が差すことで。
「あ、アリスちゃん」
そのスポットライト――光は部屋に充満しているはずなのに、女の子の周りが輝いて見えた。
可愛すぎる。子猫が体を丸めているみたいで、お腹を動かしすやすやという寝息まで聞こえてきそうだ。
そんな愛らしい女の子が、私の隣で寝ている。イコール、私は女の子と一晩過ごしてしまった。
「わ、私はなんてことを……」
寝ぼけと混乱で頭がバカになる。