治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


「アリスはともかく、俺の写真にはお金を添えてほしかった」


「脱ぎますか?とか自分から撮られる気満々だった変質者が何を言いますか」


「ユリウスのためになると思ったんだよ。いくらお金があるとしても、旅しながら稼ぐのも大事だよ。

グリフェンドールで分かったと思うけど、“お金の価値”というのに統一はない。

レルムでは大金であっても、グリフェンドールではドレス一枚ほどの金というのもあるし。

まあ、贅沢さえしなければ、切羽詰まった思いでいることもないけど」


「ちゃっかりとお店にあった懐中時計をおねだりした人が何を言いますか。

なんか、慣れてる感がありましたが、前々からやっていたんでしょうどうせ」


「いやだなぁ、後で売りさばいて君の懐に入れるよ。じかに。

あ、それともなにかい?俺が人前でサービス精神旺盛だったことに嫉妬しているのかぁ。

心配しなくてもいい。ユリウスしか抱けなくなったこの体は君のモノなんだから!」


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