治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「どうしてあなたと会話をすると、最終的に変態な言葉になるんですかっ」
まったくこの人は、と私の体にまわされた手をつねった。
筋張った男らしい手の、摘みやすい浮き出た血管の部分を。
すかさず手を引くが、それでも素直じゃないなぁの声を聞いてしまい。
「ユーリお姉ちゃんー、こっちだよー」
いつの間にか、遠くから手招きしているアリスの声を聞いた。
あの服が気に入っているのか、私に服を買ってもらったのに喜んでいるのか、案内をしてくれるアリスは元気一杯だった。
歩く足が早い。
子供は機嫌の良し悪しが足に出るようだ。
その足が止まり、私を待っていた。
アリスの前には小さな泉。
近づけば、満月がぷっかりと浮かぶような水面画を出す綺麗な泉を見れた。