治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
壊れていた、だから直したい、治したいんだ。
このままじゃ、死んじゃう。死んじゃうのはイヤ、いやなの、見たくない。
相変わらずふらふらーっとしてても、距離が近いからすぐついた。
「ふっ、無残だな、ユーリ。やはり脳が壊れたか」
壊れたバケツのくせして、顔がすっごい綺麗だった、びっくり。
こんな綺麗な顔、今まで見たことがない。
ただもったいないのは、血だめにふせているため、その人の顔が赤くなっていること。
「だ、ぃじ………ぅ?なおし、て……あ」
私に任せてと美人さんの前に座った。
ぺたりと、座ったつもりでも、お尻を地につけるなりべちゃりと赤い液体に入ってしまう。
ぬちょぬちょして気持ち悪い、でも治さなきゃと手をその人にかざす。