治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


私と目を合わせながら、美人さんは言って――繋がっていない美人さんの右手がくっついた。


「待っておれ、そなたの頭をもとに戻してやろう。

一瞬だ、修復中の頭の手助けが余となれば、完璧に治ろうぞ」


右手が額に添えられる。


真っ直ぐに私を見ている瞳が、私の中を見透かし、入ってきたようなイメージで。


【ユリウス・ステリウス。そなたの価値はこの名以上にあることを忘れるな。修復を、補強を、壊れかけを組み上げよう】




――ああ、私。
ユリウスって言う名前だった。



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