治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「それは、ユーリちゃんは、わしら全員の、娘じゃから。親が、子の面倒を見るのは当たり前だて。
だから、この、プレゼントはわしらの面倒を、見てくれた、お礼じゃ」
「いや、娘だなんて……。小さい頃、ずっと無償で面倒みてくれたじゃないですか。むしろ、私がやっていること自体がお礼で……」
頭を下げる。
ただでさえ、衣食住の面倒まで見てもらえてそのうえプレゼントだなんて、恐縮どころじゃない。
それに、こんなにも人が集まっているんだ。
小さいプレゼントではないのだろう。
「あの、だか、ら……」
「村を出て、ぎょーさん、楽しんで、きなさい」
断ろうとした口が、えの形になる。
村長が言うなり、後ろからかっぷくがいい主婦――私の母代わりにも近いゼルさんが出てきた。
手には大きなベージュの皮袋。それを私に渡してきた。
重い。パンパンに何かが詰まっているようで。中を見ようとする前に。