治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


会話する度に、手を腰に回される始末。


離れて下さいっ、と言っても少ししか離れてくれない。


おばあちゃんが言っていた村人の噂を思い出す。


二人で一緒に幸せに暮らしました、とんでもない。


不幸の現況とも言いたい。


考えてみろ、男に強制的に四六時中付きまとわれる毎日を。


しかもか。


「だから後ろから抱きしめないで下さい」


相手は変態だった。


私が好きだとかでベッタリしたいらしく、ことある度にスキンシップをするのだからこちらはいつも赤面だ。


「触らないで下さいっ」


「無理を言わないでほしいな。俺と君は一心同体の仲。離れられない関係なんだから」


「二メートルっ、二メートルは大丈夫なんですから、私に触れられないギリギリの位置にいて下さい。それか、私の中にまた入って下さい」


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