治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


更に怯える奴らは、ミンチにされる前の家畜めいてきた。


正にそんな気分を味わっているのだろう。


「だがな、その呪いは四度目の日が上がると解呪される。――せめてもの情けだ。飲まず食わずで過ごし、己がしたことをよく考える時間と使え、ハエども」


希望めいた言葉だ。
彼らしくないような感じがしたが、他に信じることがない奴らはきっとあそこに居続けるのだろう。


「行こう、ユリウス。こんな汚い場所にいつまでもいる必要はない」


焚き火から備えのランタンに火を灯して、彼がそう促す。


確かにここで一夜も過ごすことはないだろう。


隣り合い、私と彼は歩き出した。


< 95 / 411 >

この作品をシェア

pagetop