報復サイト~正義の死(バツ)を~
「ありがとうございました。」
衣理は去り行く二人の看護師に言って軽く頭を下げた。
「沙織…。今日は帰るわね。」
衣理は、ドア越しに言って帰って行く。
「お兄ちゃん、この記事読んで。」
古い古い地元紙だった。
「どれ。」
悟はじっくりと声に出して読み始めた。
「えーっと。樹莉・パプワさんの死後報復リストに載っていた一人が生き残っていた。少女の名前は影山渚と言い旅館の一人娘である。しかし、この小さな町で事件が起こる。若い女、子どもが行方不明になったのだ。神隠しにあったと大騒ぎだ。犯人の目的も行方不明の者たちも不明のままだ。今も行方は知れない。」
悟は、読み終えてから記事をコピーしてファイルに納めた。