報復サイト~正義の死(バツ)を~
「田崎衣理さんは通学する学園のプールにて溺死。警察は、自殺と断定。」
と、言う記事を声に出して読んでから悟は立ち上がった。
「また…一人、死んだ……。」
「うん。しかも、夜に学園に忍び込んでプールで自殺したって……信じられる?」
愛未は、兄に向かってまくし立てるようにで言った。
「信じ…られないな。」
悟は、座り直して朝刊をまた読み始めた。愛未は、朝食の席に一足先についた。
「愛未。帰るぞ。」
悟は、愛未に向かって言った。愛未は、朝食の手を止めて
「帰るの…?」
愛未は驚いて聞き返す。
「そう、帰るんだ。ここでの作業は、一旦中止しよう。」
悟は、妹に言い聞かせるように話して朝食の席についた。
「わかったわ。朝食が終わったらチェックアウトね。」
愛未が確認するように言った。悟は、頷いて妹を見た。