報復サイト~正義の死(バツ)を~
愛未は、ゆっくりと瞼を開けて振り向いた。すると、兄が自分を見下ろしていた。
「お…兄……ちゃん…?」
愛未は、寝ぼけ顔と声で兄を認識した。
「ほら、部屋に戻って寝るんだ。」
悟は、言って愛未に手を貸して立たせると部屋まで送った。
「おやすみなさい、お兄ちゃん。」
言われて悟は、愛未の頭を撫でて部屋を出た。愛未は、ゆっくりと深い眠りに堕ちていった。
悟は、そっと自分の部屋に戻ってパソコンの電源を入れた。
“触れるな。
追うな!”
パソコンにそう緋い文字で書かれていた。悟は、その文字を消した。