報復サイト~正義の死(バツ)を~
  

 母親は、懇願した。


『ふふふ…あははは……やめて?…あははは……私も…何度も言ったわね……。』


 樹梨は、狂ったように笑いながら言った。母親は、ようやく樹梨の“報復”だと…気がついた。


『ふふふ…あははは……お父さんを殺すのは…お母さん……。』


 言われて気がついた。
 愛する夫の首を…息の根を……止めようと…首を絞めているのは……自分だった。


『ふふふ……怖い?あははは…怖い?』


 樹梨は、すでに狂っていた。

『あぁ…あなた…許して。』


 母親は、夫に言った。
 少女の笑い声が響いていた。

『忘れられない…
 誰も見向きもしないでしょう…
 いつか思い知らしめる
 この憎しみを…』


  
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