報復サイト~正義の死(バツ)を~
  


 苦しい時は、私を呼んで…
 哀しい時も私を呼んで…

 いつだって…味方だから。


「あなた…あなた……あぁ…どうして……こんな…。」


 母親は、夫の亡きがらを抱きしめ泣いて樹梨に訴えた。


「ふふふ…あははは……良い気味。」


 樹梨は、愉しそうに言って笑った。


「なんて…酷い娘。」


 余りの怒りと哀しみに母親は、娘を睨んでそう言った。
 しかし樹梨は、部屋の中を悠然と舞ながら笑い続ける。
 高く低く長々と……。


「いつも…苦しかった。いつも…哀しかった。あなたに…愛されたかった……。でも、あなたの興味は成績だけ…だった。私は、学校で傷つき……家庭で傷つき…ボロボロだった……だから、味合わせてあげたのよ。」


 樹梨は、本当に愉しそうに言った。
 母親は、ずっと娘を睨んでいた。しかし、亡霊の娘・樹梨に勝つことは…出来ない。


 誰かが……
 彼女を目覚めさせ

 彼女が死(バツ)を与える。

 理不尽な真実に、
 捏造された真実に、


 私が…助けてあげましょう。


 樹梨の笑い声が響く。


  
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