報復サイト~正義の死(バツ)を~
  

「いただきます。」


 言って食事を始めると居間の電話が鳴った。


「お母さん、電話-!」


 志保が声をかけるが反応が無いので仕方なく受話器を取った。


「もしもし。」



『……。』



 何も言わない。志保は気味が悪かったが受話器をおろせなかった。


「もしもし。誰なの?」


 志保は、少し苛立ついた声で言った。


『忘れちゃったの?昨日の夜、お話ししたでしょう。』


 言われて志保は背筋に厭な汗が出てきた。受話器の向こうには死に神と化した友が自分に手招きしていた。



『私…諦めない。一緒に…逝こう。』



 志保に囁く声は、美幾だ。志保をどうしても美幾は連れて逝きたいのだ。志保はそのふざけていない言葉に恐怖が募る。


  
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