Love....really?

「空、かあ…。
いい名前だね。」
素直に思った。
それが自然に
言葉になった。
坂上空には名前が
あっている。
あの青空みたいに
純粋だと思う。


気付かなかった。
めったに笑わない
アタシの表情が
自然と笑を浮かべて
いたなんて。


空は驚いた顔をして
アタシをみている。


「そんな驚くこと
いった??」
「いや…
槙野が笑ったの、
初めて見たからさ…。」
「…アタシ、笑ってた?」
「ああ…。
すっげえ綺麗な顔で。」


ドキッとした。
坂上 空が
坂上 水と同じ…
いや、それ以上の
綺麗な笑顔で笑うから。


「ねえ、もう一回
笑ってよ!」
アタシは顔を真っ赤にして
そむけた。


「うわー!
なんか何気可愛い
んですけど!」
「…!」
普段冷静なアタシが
こんなに取り乱すのは
珍しいことだ。


「俺、槙野のこと
こころって呼びたい!」
アタシの袖を引っ張り
可愛く言う。
イヤって言える訳ない。


「…いいよ。」
「やった!
じゃあ俺のことは
空でいいから!」
「うん。」


それから
空が必死に
頼んできたから
少しギターを弾いた。
空は何にも言わず
目を閉じて、笑って
聞いていた。






このころから


心の氷は


少しずつ


溶け始めて


いたのかもしれないね。





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