Love....really?
アタシが泣き止むと
空はアタシの髪を
クシャッと触り
毛先を指に絡めた。
「今日、家こない?」
「…え?」
思いもよらない
発言だった。
アタシは意味もなく
こくりと頷いた。
その中に少し
坂上 水に
もう一度会える。
そういう期待を込めて。
近寄るなと言われても
会いたかった。
話をしたかった。
もっと坂上 水のこと
知りたかった。
自分のことは
自分が1番よく
わかっている
つもりだった。
でも、
アタシは、結局
ほんの少しは強い
なんていう期待を
していた自分を
惨めだと思った。
今まで傷つくことを
自分から避けていたから
傷つくことになれて
いなかった。
傷ついて
傷ついて
強くなる心と
傷ついて
傷ついて
弱くなる心。
アタシはどっちにも
あてはまらない
中途半端な心
弱過ぎる心だと
改めて自覚した。