Love....really?


水と話していて
わかったことがあった。


水は心から笑わない。
目だけ冷たい。

それと
警戒心が強い。
信頼感を出さない。
心を完全に閉じてる。



それはアタシも同じ。
心はずっと閉じたまま。
開いたことなんかない。
開ける鍵なんて
もうとっくの前に
失ってしまった。


時計を見ると
8時過ぎだった。

「そろそろ
帰らなきゃ。」
「ああ。
今度またギター
聞かせてくれよ。」
「うん。」


最後に頷いた後
なんだか
後悔した。
うん、だけじゃなくて
もっと話題を
広げるようなことを
言えばよかったんだ。
人付き合いが
下手くそなアタシは
こういうことが
苦手だ。


「送ろうか?」
「ううん、大丈夫。」
「じゃあまた。」
「うん。」


こんな会話しか
できないけど
すごく嬉しかった。
単純に
純粋に
嬉しかった。



アタシは
まだこの感情の
正体がわからなかった。






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