Love....really?
一人で夜道を歩くのは
慣れていた。
もうすぐ6月になる。
梅雨の季節。
そんなことを
考えながら
歩いていると
後ろから
誰かの呼ぶ声がした。
「こーこーろ!」
振り返ると
空が走ってきた。
全速力で走って来たのか
ゼエゼエと息切れを
している。
「…大丈夫?」
「ああ。
家まで送るよ!」
せっかく走って来て
くれたのに
遠慮はできない。
「うん。ありがとう。」
二人で並んで歩く。
しばらく
会話はなかった。
「ねえ、水のどこが
好きなの?」
いきなりの
空の言葉が
理解出来なかった。
「…え?」
「好きなんでしょ?
水のこと?」
アタシが
水を好き?
…そうなの?
自分でもわからない。
「恋してるんじゃ
ないの?!」
「…わかんない。」
「わかんないって…
だから
会いたかったんじゃ
ないの!?!」
理解するのに
時間がかかった。