Love....really?
ご飯を食べてから
急に外を
歩きたくなったから
散歩してくるといい
家を出た。
暗い夜道を
歩きながら
微かな音に
耳を澄ました。
…ギターの音色?
不思議と
吸い込まれる
かのように
アタシは
その音色のほうへ
歩いていった。
その場所は
家の近くの
公園だった。
暗闇の中に
人影が見える。
音色はそこから
聞こえる。
段々と近づく度に
アタシはその音色が
自分と
同じ音色と思った。
意味もなく
ただ
弾いている。
自分を癒すために。
アタシと同じ音色。
その音色を
奏でていたのは
栗色の髪の
アタシと同じ
冷めた目をした
男の子。
アタシと同い年くらい。
アタシが目の前に
来たことに気付かず
冷めた目をしたまま
彼は弾き続けていた。
これがアタシと
彼−坂上 水−
【サカウエ スイ】
の出会い。