Love....really?

どれくらい時間が
たったんだろう?


アタシはその音色に
完全に
聞き惚れていた。
ゆるやかで
おとなしい
でも、どこか
冷たくて鋭い
不思議な音色。


そして、何より
彼の冷めた目が
アタシを夢中にさせた。
あの瞳には
何がうつっているんだろう??
知りたい…。
そう思った。




音色は段々と
小さくなり
完全に消えた。
アタシと同じ、
弾き終わり方。


その後、彼は
やっとアタシの存在に
気付いた。
「…アンタ誰?」
「槙野 心。
16歳。」
とりあえず名前と
歳を言った。


「ふーん
なんかよう?」
彼の目は
さっきより倍…いや、
10倍はキツくなっていた。


「おんなじ。」
「…は?」
「おんなじ目してる。」
「…目付き悪いって
いいたいわけ?」
「違う…。
冷めた目。」
自分でも
何がいいたいか
よくわからなかった。
けど
自然に言葉がでた。


「アンタ、エスパーかなんか?
俺の心読めんの?」
そう彼は笑った。






それだけは
綺麗な笑顔だった。





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