Love....really?


「わかんないけど…
なんかわかる。」
矛盾したことを
言ってる自分が
急に恥ずかしくなった。


「よくわかんないけど
たしかに、アンタ俺と
似た感じするかもね。」
どこか冷たさのある
言い方だった。


しばらく沈黙になる。
春なのに
風が冷たく感じて
少し寒い。
よく考えたら
スウェットで
散歩をしてたんだ。
女捨ててると
思われたかな?


沈黙が嫌だった。
何か話したかった。
「ギター貸して。」
「弾けるの?
初心者に壊されたら
困るんだけど。」
「初心者じゃない。
弾けるから。」


彼は少し不安げに
アタシにギターを渡す。
かなり使い込んでる
ギターだ。
弦も少し痛んでる。
ピックを借りて
試し弾きしてみた。


−♪−♪♪


なめらかな音が鳴る。



弦が痛んでるわりには
綺麗な音がする。
不思議……。


アタシが1番好きな
自作の曲を弾いた。
7分くらいの長い曲。


曲の感じは
何もない。
夢とか
希望とか
意味とか
何も。
だけど
幸せ。
そんなイメージの曲。




< 9 / 46 >

この作品をシェア

pagetop